RC造(地下1階)+木造2階建て
用途:専用住宅
家族構成:夫婦2人
場所:東京都調布市
延床面積:100.00㎡(30.1坪)
容積対象面積:84.44㎡(25.4坪)
地下1F:15.56㎡(4.6坪)
1F:45.53㎡(13.7坪)
2F:38.91㎡(11.7坪)
敷地面積:105.88㎡(32.0坪)
用途地域:第一種低層住居専用地域
一種高度地区、日影1.5m3h/2h、22条
竣工年:2012年
業務内容:新築設計・工事監理
施工:株式会社クリエイトエイ
建築写真:松田恩美、八木伸司、設計者
独立後の初仕事でした。施主さんの要望は「住んでいて楽しい家」と一言。任せて貰えるのは有難いのですが、せめて好みが知りたいと、雑誌を広げ探っていきました。建築家の中村好文さん、伊礼智さんのテイストに好反応でした。
私もお二人の著書や建築物から大きな影響を受けており、この設計で「真似る」事により学びが深くなったと思います。お二人の書籍には図面が多く掲載されているので安心して設計を始めましたが。。
「真似る」のは想像以上に楽ではありません。「真似る」為に不随する要素を多く作り出す必要があり、「真似しない」ことよりも難しい事でした。結果的には同じにはならず、私と施主さんと共にオリジナルを紡いだ部分が残り安堵しました。
和モダンで自然素材も好みという事もあり、木製建具や壁には珪藻土塗りを採用。あまり既製品を使わずとにかく1点ものの製作が多い現場でした。
木製建具などは気密性も考慮し設計は難航しましたが、工務店のクリエイトエイさんは私の尊敬する著名な建築家の方々の仕事も多く手がけており、高い技術力がある上アイデアの引き出しが多く、随分と助けてもらい勉強させてもらいました。
特にベテラン現場監督さんが描いた手書きの施工図が美しく今でも事務所に飾っております。
間取りプランは面積制限や予算が厳しく、これは得意の粘りと工夫で乗り越えました。
ウォークインクローゼットは可動式として(左下のスケッチ)、通路を閉じると和室への入口が現れ、中に入って戻すと個室化。奇抜ですが採用され、完成から9年後も軽い力で動いてくれていました。
風呂場の目隠し用フラワーボックスはエアコン室外機を置くためのアルミ製の架台を骨組みとして採用。メンテナンス時には板だけ取替できるようにしています。
洗濯機は1Fキッチン横にビルトインとなり干す際に階段で洗濯物を2Fバルコニーに運ぶのは大変なので洗濯物リフトを作りました。収納カウンターの上部から洗面台の下に到着。スペースはさほど取らずに実現できました。
数年経て訪れた時、メンテナンスが大変と思われた木部も大切に手入れされており、家の中に遊び心あるカラクリアレンジが増えており脱帽しました。
決定プラン
迷走時のスケッチ
木製建具等の詳細図
現場監督さんが描いた施工図
開閉可動クローゼットの仕掛け
上棟時
室外機置き⇒フラワーボックス
洗濯物リフト